東京コンサート
最近自分のレコードを整理しているのですが、忘れかけているレコードが多いのに気が付きました。以前は買った場所も値段も完璧に把握していたんですけどね・・。
そんな中で、忘れられないレコードも沢山あります。
今回は曽我部恵一の東京コンサートアナログ盤のちょっとした思い出。
リリース10周年で発売された弾き語りで全曲再演された傑作。もちろんCDはすぐに買ってあまりの素晴らしさにこれはレコードで聴きたいな、絶対欲しい!と思っていたら、たしかCDのちょっと後に出たのかな?これは買わなきゃ、と思い期待しておりました。
ところが予約をし忘れ、発売前に完売。頭真っ白でしたね・・・・。
でも何とかするのがマニアじゃないか!と日本中の知っているお店に問い合わせてみましたが何処も完売。オークションでも発売初日から高額。諦めよう、こりゃダメだ・・・。
しかしふっとひらめきました。そういえば曽我部さんの出身地の有名なレコード屋があったな、そこだったらもしかしたらあるかも。
そしたらあったんですねー。マニアって怖いでしょ・・。
早速メールをして購入。2日で届いて嬉しさ倍増でした。
梱包されたダンボールの中に、そのお店独自のオススメが書いてあるチラシが入っていて、ああ、このお店は音楽に愛情のあるいいお店なんだな、とすぐわかりました。
そしてもう一枚、手書きの小さなお手紙も入っていて、
「この度はご購入ありがとうございました。楽しんでくださいね。HAPPY HOLYDAY!」
と書いてありました。今でもそのメッセージカードはレコードの中に入れてあります。
そしてお礼のメールを差し上げたら、
「今回はご利用いただきありがとうございました。福岡には素敵なレコード店いっぱいあると思いますので、地元にあるレコード店もぜひご利用くださいね。」
確かそんなニュアンスで返信がありました。ああ、いいお店で好きなアーティストの一番欲しかったレコードが買えて嬉しいな。そんな事を思った記憶があります。
今でも東京コンサートのレコードに触れるたびに、この出来事をフワッと思い出します。もう15年前のことです。
物を買う、所有する、という事はそういう事なんだろうなと思います。買ったり聴いたりしていた頃の空気や出来事がふっと記憶から戻って来たり、店主とのやり取りや一緒に聴いていた友人や知人の事を思い出したり。
最近、若い頃に聴いていたレコードをもう一度聴きたくて、とおっしゃって来ていただくお客さんが増えてきて、思い出のレコードをうちのお店で買われる姿や表情を見ていると、今回書いた一連の事を思い出しました。
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