左岸
全く更新されないこのブログ。何かレコードについて書こうかと思ってるのですが、どうしたものか。
実は私が30歳手前から約10年間ぐらいずっとブログ日記を書いてました。
そして嫌なことにまだそれは見れます。自意識過剰な文ばかりで、何でこんな事毎日書いていたか、ほとんど忘れてしまいました。
久々に読んでいると、ああ、これは客観的に見てもまぁまぁかな、なブログをひとつ。
もう15年ぐらい前のことです。文に出てくるベルというのは当時ペットだった犬のことです。マジでかわいいやつでした。そして長い文章です。すいません・・・。
ぼくとベルの散歩コースの、最終地点で折り返し地点は、まぁまぁ大きくて綺麗な川。
そこでベルは水浴びして、ぼくは靴と靴下を脱ぎ捨てて、川に足をつけて、ザーっと言う滝の音を耳に、寝っ転がって空をぼーっと眺めてる。
10分か15分経って、帰るために川原の土手を上がる。
そこの土手のちょっと下に、春から秋にかけて、水色のテントを張って住んでる人が居る。
去年も居た様な気がするが、2年前は居たかどうか判らない。
今年の8月、ぼくは初めてそこに住んでる人を見た。
年は多分50歳前後、健康的はおじさんだった。ホームレスって感じじゃ全然無かった。
住むための道具もかなり揃ってるらしい。アウトドアマン、そんな感じ。
見るのは決まって、天気が良く夕焼けが綺麗な夕暮。テントの外にテーブルを出して、川と山を見つめながら何かを飲んでる。多分コーヒーに違いない。
普通ホームレスの人を見ると、脱力感というか、こっちまで不安になることがある。
でも、その人はそんな感じじゃない。目は生き生きしてるし、充実感に溢れてる。好きなことをやってるさ、そんな感じだ。
最近はよく目が合うので、「こんにちはー」と、こちらが軽く会釈すると、おじさんも軽く会釈してくれる。
最初のうちは、おじさんは何とも言えない顔をしてたけど、最近は、「お、また来たね」って感じでこっちを見てる。
ぼくは最近、その人とちょっと話しがしたくなった。
ここは好きですか?とか、冬は何処に行ってるんですか?とか、アウトドア好きなんですね、とか。あまり深いことは聞かず、世間話。
でも、色々考える。
その人は、もしかしたら、人間関係が嫌になってここに来てるかもしれない。
誰にも干渉されたくないからかも。
家族は居るが、仲が最悪になって逃げてるのかも。
犯人かも。
元会社の社長で、不景気で潰れてしまって逃げてるかも。
単に一人になりたくて、冬は街へ出てめちゃくちゃ働いて、いい季節になるとここに来てるだけかも、等々・・・・・・。
そんなことを考えると、このまま軽く挨拶を交わして、そのまま帰ったほうがいいのかもな、とも思う。
今度その場所に行ったら、またそのおじさんと挨拶を交わすかもしれない。でもやはりお互い何も言わず、ぼくはベルを連れて、また彼のことについて色々考えて、物語や出来事を勝手に考えつつ、家路へと急ぐのだろう、きっと。
と言うやはり自意識過剰な文。20代特有のなんと言うか・・・。日記のタイトルも、左岸に居たのでそのままです。これまたなんとも・・・。
そういえば今年実家に帰った時、その場所に行ってみました。もちろんもうテントは無く、誰も居なかったです。でも生活していた形跡はありました。お元気だったらいいのですが・・・。そんなこともあり、ああ、そういえば、と、この日記を思い出したのでした。
下の写真はこのブログを書いた日に撮った当時(2005年)の写真。この場所もすっかり様変わりしていて、時の流れを感じました。
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